●ビデオカメラの分類
プロ用を除く市販のビデオカメラを分類してみよう。ハンディタイプ、スマートフォン、アクションカメラ、デジタル一眼レフカメラ、コンパクトデジカメの5種類に分類した表を作ってみた。![]() |
ビデオカメラ分類 |
・ハンディタイプのビデオカメラ
![]() |
Sony HDR-PJ630V |
そして忘れてはなならないのが音だ。ビデオカメラ専用機なのでステレオマイクが装備されていてきちんとした音が録れるように設計されている。また、オートフォーカス、明るさ(AE)、色温度(AWB)などのオート機能がスムーズに動作するように動画撮影に適したチューニングがなされている。ズームも電動であり、レバーひとつでスムーズに操作できるのもビデオカメラの特徴だ。そして、忘れてはいけないのがスタミナ。ビデオカメラ専用機であればバッテリー運用で1時間以上の連続撮影が可能だ。
欠点としてはYouTubeへの直接アップロードできるモデルは限られていることと、主流のAVCHDフォーマットがPCでの取り扱いに癖があるので、ちょっとしたステップを踏む必要がある。PCでのデータの取り扱い方については改めて紹介するつもりだ。
・スマートフォン
荻窪圭のiPhoneカメラ講座:第9回 iPhone動画で気をつけるべきアレコレ欠点としてはズームが出来ないか、できたとしても信号処理によるデジタルズームなので高倍率にズームすればするほど画質は劣化する。なので、遠景ならワイドな画角での撮影になるし、アップで撮影したい場合は被写体に近づくしかない。
また、最近のiPhone5の手ぶれ補正はかなり高性能だが、より安定した映像を撮るには以前紹介したスタンドやSTEADICAM SMOOTHEEのような手持ちのスタビライザーがあると便利だ。他にもいろいろなアタッチメントが発売されているので選択の幅は広い。いずれにせよ長時間の撮影にはバッテリーの持ちが問題になるので、ワンカットずつ数秒で短くして撮影するか、長くても数分程度の撮影に適している。
![]() |
Steadicam SMOOTHEE |
![]() |
FOSTEX AR101 |
・アクションカメラ(インスタントビデオカメラ)
![]() |
GoPro HERO3 |
新しいカテゴリのアクションカメラとは GoProに代表される超小型軽量カメラのことで、スポーツやアクションなど動きのあるシーンを撮るのに適していて、設置場所の自由度が高く、豊富なアタッチメントでサーフボードやヘルメットに装着すると面白いアングルの映像が得られる。水中で撮影できる防水ハウジングが用意されていたり、衝撃に強い構造で、乱暴な扱いにも向いている。性能はスマートフォンと似た画質で、特徴的なのはワイドアングルを基本とした固定レンズが装備されていることだ。音はそれなり、あればいいに越したことはないというレベルだ。映像フォーマットはYouTubeに親和性の高いMP4を採用しているので、撮影した映像クリップの取り扱いも簡単だ。ちょっと珍しい映像を撮りたい時のサブカメラとして使うと面白いだろう。
GoProと同じようなコンセプトのアクションカメラはSonyやPanasonic, Contourからも発売されていて選択の幅は広がっている。
・デジタル一眼レフカメラ(DSLR)
![]() |
EOS 5D MkIII |
ただ、静止画用途に設計されているカメラがベースなので、動画撮影では使いにくい部分も多々ある。まず第一にフォーカス合わせがとにかく難しい。撮影開始時に自動で一旦合わせたら、あとは動かないものが多い。手動でフォーカス合わせをしようとしてもピントがどこに合っているかを、ライブビューとしての液晶画面では確認することが困難だ。静止画用のズームレンズもスムーズに動かすことは想定していないレンズだから、どうしてもギクシャクしてしまうし、ズームを動かすとフォーカスがずれるレンズもある。プロが使う場合にはフォローフォーカスなどのリグを装着してそれらの操作性をカバーしている。こんなふうにマットボックスを付けるとちょっとデジカメには見えない。
![]() |
Redrockmicro DSLR Cinema / Studio Rigs |
また、動画撮影時のバッテリー消費は大きく、長時間の撮影には予備のバッテリーの準備が必要だ。熱対策や記録メディアの制約として連続記録時間の制限もあるので、あらかじめ調べておくと良いだろう。
このように動画撮影用としては使いにくい面もあるが、映画にも使えるほどの高画質が、プロ用だけでなくアマチュア向けのDSLRカメラでも撮れるとあって、クリエイティブな映像制作を手軽に試してみるのもよいだろう。やはり静止画用途と同じく交換レンズのシェアが高いCanon, Nikonがよく使われている。
なおSony, Panasonicなどのミラーレス一眼カメラの動画も同じような特徴であるが、構造上の特性を活かして、動画性能を向上させた製品もある。
・コンパクトデジカメ
![]() |
1.0型センサーとF1.8レンズ採用したSony DSC-RX100 |
![]() |
ネット連携できるCanon PowerShot N |
・まとめ
最後に動画共有サイトVimeoにVideo 101という初心者向けビデオ入門のLessonがあるので、紹介しておく。英語だが見ているだけでもある程度意味がわかるだろう。最初はビデオカメラの選び方だ。Video 101: Choosing a Camera from Vimeo Video School on Vimeo.
その後、撮影、編集と続くので興味のある方は見ておくと良い。Vimeo Video Schoolには最近の話題としてDSLR動画のLessonなどもあるので、ご参考まで。
Vimeo Video Scoolタイプごとに特徴を説明したが、その特徴を知っていれば何を使えばいいか選ぶことができるだろう。機材準備編が長くなってしまったが、まだ少し続きがあるので次回に。
0 件のコメント:
コメントを投稿